ITLABでは、社員が社会人博士号を取得することを推奨しています。過去にも前例がいくつもあり、これから取得を目指す人にとっては豊富なアドバイスが期待できる環境です。2024年に実際に社会人博士を取得した長田さんに、学位取得までのお話を伺いました。
Interview ラボの人々
ITLABでは、社員が社会人博士号を取得することを推奨しています。過去にも前例がいくつもあり、これから取得を目指す人にとっては豊富なアドバイスが期待できる環境です。2024年に実際に社会人博士を取得した長田さんに、学位取得までのお話を伺いました。
社会人としては4年目に博士(工学)の学位を取得しました。そもそもの話をしますと、大学の修士課程を卒業する段階で、博士課程に進学するか、それとも就職するかという迷いがありました。結局、ITLABに就職したわけですが、ここなら在籍中で研究をしながらも、博士号を取ることもできるかもしれないという思いが頭にあったからです。在学中に社内の人に色々相談した時に、過去にもここで働きながら社会人博士になった前例がいくつもあることを聞いていたので、いつかは取りたいと考えていました。
「先延ばしにすると自分の博士号取得のモチベーションを維持できるか?」と思い、意を決して若くてバリバリ動けるうちに社会人と学生の二足の草鞋を履くことにし、働き始めるのと同時に博士課程に入学しました。入社してから社内ではミリ波レーダを利用した車外環境の認識技術についての研究をしていましたが、大学では異なるテーマを扱っていて、イベントカメラにおけるオプティカルフローを推定する研究に取り組んでいました。
ITLABでは、社会人博士についてはむしろ歓迎していて、博士号取得支援制度で毎年補助金も出してくれるのも、励みになりましたね。博士号を取得すると7万円の報奨金が支給され、入社時に博士号を保有している場合には、一時金として50万円が支給される制度もあるんですよ。
ITLABは裁量労働制なので、勤務時間を自分で決めることができます。おかげで自分でコントロール出来る部分が多く、社会人学生にとってはありがたかったです。私は、夕方5時まで働いて、それからリモートで大学院の研究に取り組んでいました。
それと、週に2日の出社でそれ以外は在宅勤務が基本のワークスタイルなので、会社での研究と大学院の研究活動との切り替えはスムーズにできました。ただ、頭の切り替えはなかなか大変でしたね。大学院の方の研究が全然捗らなかった時期も正直言ってありましたが、なんとか、そういう時期も無事に乗り越えて、4年をかけて博士号を取得できました。
「ホッとした、肩の荷が下りた」というのが率直な感想です。大学院時代の研究室では、一人で考える時間が多かったですが、ITLABではオープンな環境の中で、いろいろな人とディスカッションしながら検討を進めていました。特定の分野で閉鎖的になることなく、広い視野と多くの知見を得た上で博士課程に臨めたことは、やはり取得に至る大きな力になっていたと思います。
社会人として研究活動を一度経験した目で、大学院での研究をあらためて見て、あらゆる研究が本来持つべきストーリーの重要性に気づかされました。研究の背景、なぜこの研究をするのかという動機をしっかり認識した上で、まず仮説を立てていく。そのことで検証がやりやすくなり、考察もより深まっていきますし、研究が行き詰まった時にも打開策を考えやすくなります。
修士課程の時は、与えられたテーマに取り組むだけで精一杯でした。しかし、博士課程では学位取得というゴールに向かって、最初のテーマ選びから論理構成に至るまで、すべて自分でプロセスを組み立てていかなければなりません。
この大学研究室での気づきは、今の仕事にも活きていると思います。やみくもに何から何まで検討するのではなく、まず課題の設定から解決までのストーリーを描くことから始めていますし、実際、そういうストーリーを描きやすくなったと実感しています。