コンピュータービジョン(CV)の研究の領域は広いのですが、私は主に自動運転やADASに利用できる視覚情報のニューラルネットを使った処理について研究しています。もう少し具体的には、安全で快適な運転アシストや自動運転の実現にむけて、カメラに代表されるビジョン信号を処理して外界を認識するという研究をしています。
ビジョン信号はデータ量が大きいので、「効率的な処理」が重要になります。イベントカメラというセンサーが、生物の目と同じように動きを検出しているところに面白さを感じて、CV分野の本流からは少し離れますが、この変化の信号をうまく処理できたら圧倒的な効率アップを実現できるのでは?という思いで、この信号処理に特化したニューラルネットワークの研究を始めました。その他にも、効率的な認識という流れで、ニューラルネットワークの圧縮も研究しています。枝刈りと呼ばれる圧縮技術をビット単位で精緻に行うことで精度劣化を抑えたBit-Pruningや、NVIDIA社などが提供する汎用GPUに搭載されるスパース演算器を本来の用途とは異なる方法で活用して演算量の削減を実現した有構造特徴MAPスパース化などの圧縮技術を開発しました。これらの技術は機械学習分野のトップカンファレンスである「ICLR」などでの発表を通じて社外へのアピールも行っています。